『教育』を読む会2月例会
日 時 | 2023年12月17日(土) 10:00~12:00 |
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会 場 | みやぎ教育文化研究センター 会場の詳細はこちら |
参加費 | 無料 |
内 容 | 【2月号】 【特集1】大学における学問研究はどうあらねばならないか、あるいは大学とはどうあるべきかと大上段から大学を語ることもできるが、同時に大学教員にとって大学は職場であり、日々の研究はもちろん学生への指導・教育をめぐって様々な苦労や厳しさの中で働いている、いわば労働者でもある。特集1では、大学における教員の仕事、学生の学びの事実に根ざして「現場目線」の大学を取り上げる。 【特集2】歴史のなかで形成され育まれてきた「学問研究の自由」を巡り様々な動きや攻撃がなされている。特集2では、学術会議をめぐる研究の自由、国立大学法人法改正問題、フェミ科研費裁判、九条俳句訴訟と学習の自由を守る戦い、子どもの知る権利・学ぶ自由と学校図書館を取り上げ検証する。 |
前回の 様子 |
2024年最初の宮城『教育』を読む会は、1月20日(土)10時~12時に開催しました。今回は、宮城教育大学を会場に、全国の『教育』を読む会メンバーとオンラインで接続した「オープン企画」として開催しました。 今回は、『教育』2024年1月号の第1特集「改めて考える子どもの権利と親子関係」から、二宮修平さんの「現代日本の家族制度と親権」を中心に読むことにしました。話し合いのなかで、私が特に大切だと思った点を述べてみます。 日本の「親権」が、「国家や第三者が親権者による子の監護教育に不当に介入したり、妨害することを許さない趣旨」(二宮論文11頁)で「権利」とされていることは意義があります。子どもを“保護の対象”として扱うのではなく、“権利の主体”として位置づける方向で児童福祉に関わる法改正が近年繰り返され、子どもの権利条約に基づく国内法として子ども基本法がようやく2022年に成立し、2023年4月に施行されました(山下敏雅論文「児童福祉における家族と子どもの権利」) 「『家族』の仕組みを探り当てる」授業の中で、「家」制度の慣習について「父親が天皇になっている」というという生徒の発言が紹介されていました(鈴木博美論文、46頁)。現在の共同親権運動が、妻子に離別された怒りを募らせた父親による運動(父権運動)という側面がある(熊上論文27-28頁)ということと合わせて考えるとき、日本における家族に対する価値観や、家族の実態をどのように認識し、どこをどのように変えていくのかという基本的な視点を抜きに、「離婚後に単独親権のままでよいか、共同親権かを選択するのがよいか(後者がよいでしょうということで法改正をすすめます)」という単なる制度的な選択の問題として位置づけられてしまうとすれば、子どもにとっても、子どもの幸せをそれぞれに願う親個人にとっても、根本的問題が解決されないままになってしまうなあと感じました。 二宮論文では、「父母は婚姻の如何にかかわらず、子の養育について共同の責任がある」(16頁)と指摘されています。子ども自身にとって、共同親権の選択が制度化されることの意味とはどのようなことなのか。離婚後に、親として養育責任を負うものが、実際にどのようなかたちで「共同」していくのか。子ども自身が、こうした共同のなかで、親とどのように関わっていくことを望むのか、その声や思いが聞き取られ、実現していく過程をどのように支援していくのか。 |