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『教育』を読む会9月例会

日時 2023年9月30日(土)
10:00~12:00
会場 みやぎ教育文化研究センター
会場の詳細はこちら
参加費 無料
テキスト 『教育』2023年9月号
内容

【9月号】
特集1  いま2000年以降の教育政策と社会を問う
特集2  私を支える本と人 ー教師の育ちを考える

特集1では、2000年以降の教育政策と社会の動向を整理し論じることを通じて、今日の学校や教師、子どもたちの置かれている状況と課題を探った。
特集2では、特集1で論じられるような学校現場で、教師の学びと育ちはどうなされているのか。若手教師を中心に、自らの歩みと学校現場での取り組みを語った。

前回の
様子

9月2日(土)、みやぎ教育文化研究センターで『教育』を読む会を行いました。今回は、宮城の中学校で今年から教えている若手教師、今教職大学院で学び、来年度から宮城の学校で仕事をする院生の方、福祉センターに勤務されている方が新たに参加してくださいました! 嬉しいことです。
今回は、『教育』2023年8月号(931巻)の第1特集「小学校教師-その魅力と専門性」のなかから、中村麻由子さんの論文「教師の応答的専門性」を輪読し、話し合いをしました。
特集の冒頭にある「小学校教師は、毎日、生活し成長し新しくなる子どもに応え、声を聴きながら、教室の関係や価値を編みなおし、自分も新しくなっていく。」という一文に共感しながら、教師の専門性って何だろうということを参加したみんなで考えました。およそ、次のようなことについて意見を交換しました。
教師の専門性が「揺らぐ」要因の一つに、「〇〇力」ということばのもつ力(6頁)が、子どもの、そして教師の育ちをあたかもパラメーターの束のようにして捉え、管理・統制する作用を果たしている。たとえば「体力」は、そもそもは「基になっている力」のようなものをある形で測定することによって推定するものであったはずなのに、点数化(パラメーター化)された結果のみが比較の対象として独り歩きしている状況がある。
「応答性」だけが一面的に強調され、文化を媒介にした教師の働きかけの大切さが見えなくなってはいけない。その点で、「子どもの呼びかけは・・・だれの目にもみえるわけではない。・・・呼びかけを発見しようとする主体として働きかけていく応答的な専門家でなければ、呼びかけている主体としての子どもの顔は現れない」(8頁)という指摘は大切である。
わり算の単元でのよっちゃんの、「仲良くないとできない!」(11頁)という、生活や学習の困難のなかで考え、発せられた発言を引き受け、大切にする学級の雰囲気をチャコ先生はどのように作っているのか。チャコ先生には教材についての深く豊かな理解もあるだろうし、子ども一人ひとりの「経験則」の違いを理解し、尊重する姿が子どもたちにも感じられ、共有されているのだろう。
教師の仕事がもつ魅力と専門性について、確かめ合うことのできた時間になりました。(文責:本田伊克)