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『教育』を読む会3月例会
日 時 2024年3月9日(土)
10:00~12:00
会 場 みやぎ教育文化研究センター
会場の詳細はこちら
参加費 無料
テキスト 『教育』2024年3月号
内 容

特集1 学校から周辺化される子どもたち
特集1では、以下に記した論考を通じて貧困状態にある子ども、外国ルーツの子ども、性的マイノリティの子ども、障害のある子ども、少年院収容経験のある子どもなど「周辺化」される子どもの実態と困難を明らかにする。

・どのように誰が周辺化されてきたのか
・外国ルーツの子どもと学校
・性的マイノリティと学校
・学校教育が障害ある子どもへの教育で置き去りにしているもの
・学校に行けなかった若者たち
・貧困状態にある若者の進路選択

特集2 学校統廃合をめぐる攻防と混乱
子どもの減少は、過疎地だけでなく都市部においても深刻な状況にあり、その中で学校統廃合が進められてきている。子どもが減ったから学校を統廃合するという発想で、学校の存廃を考えていっていいのだろうか。特集2では、人口減少時代の中の学校統廃合について考える。

・学校統廃合の社会学的分析
・通学バスの影響と地域連携
・学校統廃合が高校にもたらす実際のこと
・誰のための学校か 無理な小中一貫校計画に抗う

前回の
様子

2月の会は、高校の先生たち3名参加。このところ高校の先生たちが参加してくれていて、とてもうれしいです。やはり現場からの参加は大事だと思います。
さて『教育』2月号のテーマは、特集1が「現場目線の大学論」、特集2が「学問・研究の自由と平和・民主主義」で、学問・研究の自由は、どちらも大学に大いに関係するのですが、いつもは多い大学関係者が、今回は入試関係やその他年度末の業務で忙しいのか、研究部長の久保先生だけ。複数の大学から参加があれば、もっと今の大学の事情が聞けたかもしれません。そこは残念。
今回は、特集1の神代健彦さんの論文「同床異夢の大学、その豊かさ」を輪読し交流しました。
論文では、今の大学教員が自身の研究と学生の教育(指導)、また大学運営や厳しい教員評価など、車寅次郎に習うなら「大学教員もつらいよ」と言わざるを得ない状況が語られています。同時に、そのような中にあっても学生たちと真に学び甲斐、働き甲斐のある大学をつくるための地道な努力も。そしてそういう今の大学で、何をこそ大切にしようとしているのかという神代さんの思いも綴られています。
神代さんの論文からは、以前の学問研究を中心に学生を指導するというにとどまらない、今の大学教員の置かれている状況の大変さを感じます。大学教員は、好きなことを自由にできていいご身分だよなあなどと思っていた時代は、当に過ぎ去っているようです。
さて意見交流の中では、大学はもっと自ら主体的に改革を行っていく必要があるのではないかという意見が出される一方で、 主体性が発揮できるかどうかは私立と国公立の違い、あるいは私立でも経営がうまく行っている大学とそうでない大学との違いによって、それぞれに課題がありそう簡単ではないことが具体的に交流されました。
また、個々の学問領域に即した学部による研究や教育と、教員養成大学における研究や教育のあり方の違いも話題となりました。つまり教員養成大学は、教育学とともに多種多様な学問領域を学ばなければならず、下手をすると何を学んでいるのかわからない、上っ面だけになってしまうのではないかというような厳し目の意見も。
その違いは、特集2の広渡清吾さん「学問の自由と日本学術会員任命拒否問題」で述べられている大学における学問研究のあり様の違い? と関連してみることもできるのではないかと思いました。すなわち「真理探究を自己目的とする(何のために)を問わない)」学問領域(大学)なのか、「具体的な社会的有用性を目的とする」学問領域(大学)なのかの違いとして。教員養成大学は後者の大学として、教育・子育てに向けられる多種多様な社会的ニーズに応えることが常に様々な形で求められています。そういうニーズに振り回されていると言ってもいいかもしれませんが。そんなふうに描いてみることもできるのではないかと思いました。
意見交流は、参加者それぞれの学生時代の体験も含め、自由闊達になされました。