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明治初期の教育思想1
道徳と教育を考える会 1月例会(隔月開催)
日 時 2025年1月20日(月)
13:30~16:00
会 場 みやぎ教育文化研究センター
会場の詳細はこちら
参加費 無料
テキスト 当日配布
内 容

 前回に引き続き、福沢諭吉について学びます。今回は、岩波文庫の『福沢諭吉教育論集』『福沢諭吉家族論集』を取り上げます。太田先生曰く、ぜひ読んでほしいおすすめ本と絶賛。ここからの抜粋資料をもとに福沢諭吉の教育思想、ジェンダー問題・家族論についてみていきます。どなたでも参加できます。興味関心のある皆さんの参加をお待ちしております。

前回の
様子

 11月からは、時代が「江戸」から「明治」へということで、その第1回目として「福沢諭吉」を取り上げました。
 太田先生は会の冒頭、朝日新聞の記事「福沢諭吉が陥った偏見の罠」(2024.9.15)を紹介しつつ、現今の福沢諭吉解釈はこの記事に記されているように人種差別や優生思想に毒され偏見を宿した人物としての再評価・再認識がされつつあるのだろう。私も、そういう目で福沢を見てきた部分があるが、今回福沢の著書を読みなおしてみて、その認識を改めた。やはり福沢という人間はすごい。本気で研究しなくてはいけないと感じたと話された。

 そのうえで今回は、福沢を代表する主著『学問のすすめ』と『文明論之概略』を取り上げ、その抜粋資料をもとに学びました。太田先生が両テキストから抜粋した個所はもちろん異なり相違しているものの、同時に共通したテーマ・内容にかかわっている点も多くあり、両テキストの抜粋資料から共通に読み取れた点を要約すると次のようになる(主に『学問のすすめ』によりながら)。
 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」に始まる『学問のすすめ』の冒頭の記述は、福沢の基本的思想の考えを示している。それは、まず生まれながらの平等と、それと一体の(学問の有無による)能力主義。さらにそれに伴う貧富の容認などが読み取れる。
 また人々に学問のない国は独立できないと言い、文明を興すには人民独立の気力が大切であると説く。さらに文明の進歩は「真実を発明するにあり」と言い、その真実は「疑いの一点」より生じるとして、疑いより生じる真理を説いた。ここにも学問の重要性が見て取れる。よって政府がなすべきことは、人々の独立気力による行いによってなし得る物事の創意発明や工夫を保護することが大事とする。