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『教育』を読む会2月例会

日時 2023年2月23日(土)
10:00~12:00
会場 みやぎ教育文化研究センター
会場の詳細はこちら
参加費 無料
テキスト 『教育』2023年2月号
内容

【2月号】
特集1  性的同意と教育の課題
特集2  データ駆動型教育のゆくえ

日本の刑法では「性交同意年齢」(セックスすることに同意する能力があるとする年齢)も、「性的同意年齢」(性交以外の性的行為に対して同意する能力があるとする年齢)も、13歳になっている。明治以来変わっていない日本のこれら性的同意年齢は先進国で最も低い。
性暴力被害の当事者や支援する人々を中心に、性的同意年齢の引き上げと、同時に暴力・脅迫を伴わなくても、同意のない性的行為は「不同意性犯罪」として処罰できるよう刑法改正を求めてきた。2022年11月の法制審議会「試案」では、性交同意年齢は一応16歳となったが、同意のない性行為を性犯罪とするには至らなかった。
こうした刑法改正の動きと並行して、子どもどうし、子どもと大人の関係において「同意」の尊重を教える教育の重要性も認識され、広がってきた。性教育において、自分のからだは自分のものであり、からだのふれあいにはお互いの同意が大切なことを、幼いうちから教え、思春期、青年期には性的同意についてより具体的な問題に即して教える必要がある。そのための実践的取り組みも広がっている。
特集1では、性的同意に限らず、自分とは異なる他者を尊重する行為の基本に「同意」を位置づけるとき、教育はどのように変わらなければならないのかについても考えていきたい。

特集2では、「データ駆動型教育」を取り上げる。「データ駆動型教育」とは、個人や集団の学習履歴や生活・健康に関するデータを活用して最適な指導法を編み出したり、教職員配置等の政策効果を最大化しようとする教育のあり方を指す言葉であり、2021年6月の教育再生実行会議第12次提言を機に知られるようになった。それは、つまりデジタル化を通じた教育プロセス、学校組織・文化の刷新を含む「新しい教育」への変革と言える。
1人1台のデジタル端末や高速大容量の通信ネットワークの整備を進める「GIGAスクール」が教育現場に展開されつつある今、「データ駆動型教育」こそ次の一大争点になるのではないか。そうした問題意識のもと、①堀口悟郎さんには教師の「教育の自由」をめぐって ②鈴木正朝さんには個人情報の保護/利活用をめぐって ③中澤渉さんにはエビデンスに基づく教育をめぐって、それぞれ「データ駆動型教育」について論じてもらった。これからの教育のゆくえについて考え合いたい。

(※2月号、各特集の「とびら」の言葉などを参考に紹介)