道徳と教育を考える会9月例会(隔月開催・内容変更)

日時 2020年9月27日(日)
10:00~12:00
会場 みやぎ教育文化研究センター
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参加費 無料
テキスト 当日、配布します
内容

江戸期における教育事情を探る

当初、案内していた内容が変更となります。
今回は、前田勉『江戸の読書会』(平凡社ライブラリー)をテキストに学習を行います。
テキスト『江戸の読書会』は、「儒学の学習のために始まった読書会=会読は、すぐに全国にひろがり、蘭学、国学塾でも採用された。それは身分制社会のなかではきわめて特異な、自由で平等なディベートの場、対等な他者を受け入れ競い合う喜びに満ちた「遊び」の時空でもあった。そこで培われた経験と精神は、幕末の処士横議を、民権運動の学習結社を、近代国家を成り立たせる政治的な公共性を、準備するものでもあった―。具体的な事例をたどり、会読の思想史を紡ぐ」(「BOOK」データベースより)という内容です。
興味関心のある方は、ぜひご参加ください。

なお、当初案内していました社会学者で日本研究家としても著名なロナルド・ドーアの『江戸時代の教育』と、『宮城県史』をもとにした江戸期の教育(藩学や庶民教育)については、次回以降ということになります。ご了承ください。

前回の
様子

7月の会では、髙橋敏『江戸の教育力』(ちくま新書)と、大石学『江戸の教育力 近代日本の知的基盤』(東京学芸大学出版会)をもとに学習会を行いました。
まず高橋敏の『江戸の教育力』からは、寺子屋教育とはいかなるものであったのか。また各地域・地方への教育の拡大と浸透について大原幽学の「先祖株組合」の結成と取り組み、若者組の教育、地方文人の間に広がった『論語』や『中庸』『小学』の教えなどをみた。また地域の教育力の基礎に読書があり、俳諧ブームが寺子屋の普及と文字文化の浸透に役割を担ったことなどを学んだ。
大石学の『江戸の教育力』では、江戸の文書・文字社会の成立が兵農分離により武士は城下町で官僚化し、農民は農村で農業に専念し自治・自立化するなかで形成されたことや、享保の改革で知られる徳川吉宗の時代に「六諭衍義大意」が手習いの手本となり、いわば国定教科書の幕府刊行物として広く流布されたこと。さらに松平定信の寛政の改革による湯島聖堂の学問所が幕末・維新期に向けてどのように変遷していったのかをみていった。またこのような江戸期の教育や文化を外国の人々はどのように見ていたのかの記述も興味深かった。