『教育』を読む会 7月例会

日時 2020年7月18日(土)
10:00~12:00
会場 みやぎ教育文化研究センター
会場の詳細はこちら
参加費 無料
テキスト 『教育』2020年7月号
内容

特集1 ナショナリズムと歴史と教育と
特集2 もう一つの教育をもとめて

オリンピック・パラリンピックの開催延期を機に、一気に広がったコロナウイルス感染拡大のなか、私たちは日本中の学校の一斉休校、非常事態宣言による不要不急の外出自粛など不自由な生活を強いられてきた。それは、人々がともに生きるというごく当たり前の、これまでのあり方を大きく変えるものであり、いつ終わるともわからない孤立・閉塞した時間の世界に閉じ込められた。しかし、このような生活は、コロナ後の私たちの生活や人々のつながり・連帯のあり方を問いなおし考える貴重な時間でもあったと言える。
他方、今日の国際社会の動向や日本の社会と教育をとりまく状況に目を転じるなら、そこには偏狭な「ナショナリズム」や排外主義、差別と分断の拡大の可能性とその危険性がある。特集1では、そのような中で私たちに何が問われ求められているのかを歴史と実践に学び、考えたいと思います。
特集2では、公立学校の枠に収まらない多様で多彩な「もう一つの教育」が、日本全国でさまざまに展開され取り組まれている。それらの取り組みに学びながら、教育と学校の未来を考えたいと思います。

前回の
様子

4,5月と2か月にわたり実施を取りやめたこともあり、皆さん議論に飢えていたようです(笑)、10名の参加者のもと賑やかな議論がなされました。
今回は6月号の特集1「からだが変わる 学びが変わる」について、中村真由子さんの論文「<接面>から撤退するからだ」を中心に読み合いました。
この特集は以前組まれた「かたまるからだ」特集に引き続く問題意識で作られたものであることや、映画『青い鳥』を原作とともに観た参加者からは、「接面からの問い直し」(11頁)というテーマは、映画の方がより鮮明に打ち出されているように思うとの話もありました。
以下、話し合いでは次のような意見が出されました。箇条書き的に要約します。
・今ほど「学校に行きたい」という機運が高まっているときはないのではないか。こうした現在、そもそもからだが「変わる」とは、そしてこのことと学びが「かわる」とは結局どのようなことか?
・主体化=隷属化という、一見すると相互に相いれない作用が等号で結ばれる事態を描いている。それとは違った意味での「主体化」とは。「接面」というキーワードの含意と合わせてさらに理解したい。
・教師がこの論考で提起されているような「からだ」観をどれくらいもっているか? 体育科自体が、ましてやからだの教育は命や心の教育に比べて軽視されている。
・ある意味で受動的な(出力系でない)ものの位置づけはどうなるか?この特集1で大切にしようとしている「からだ」の在り方が保障される場、一人ひとりの多様な身体感覚や表出が承認され認め合われる場というのは、第2特集の「自由な居場所」にもつながっているようにも思いました。(本田)