『教育』を読む会 2月例会

日時 2月25日(土)
10:00~12:00
会場 みやぎ教育文化研究センター
(仙台市青葉区柏木1-2-45 フォレスト仙台ビル4F)
参加費 無料
テキスト 『教育』2月号
内容

特集1 保育と子育ての教育学
特集2 先走る教育技法

子育て・教育は「喉もと過ぎれば~」と言うように、自分たちの子育て・教育が過ぎてしまうと、あとは老後の心配ばかりなり。そんな今の時代の貧しさがあるやもしれませんが、一方で人類は、常に種の保存と繁栄のために多くの努力を費やしてきているのです。
特集1では、今大きく変えられようとしている幼児の保育・教育のあり方について考えます。先月号の子どもの時間にも関連しますが、幼児には幼児の時間がある。だとすれば、その幼児の時間と世界をどう豊かにして行くことが求められているのか。そのために、何が必要なのか。みんなで考え合いたいと思います。
特集2では、学校現場を席巻しているアクティブ・ラーニングやユニバーサルデザインなどの教育技法について、教育の原理に立ち返りながら、今日どのような技法が求められているのか考えます。

前回の
様子

1月の例会では、内山節さん「子どもたちの時間と現代社会」(特集1)、戸田竜也さん「障害児の「きょうだい」を考える」(特集2)を中心に読み合いました。

子どもたちにとっての「自分の時間」とは何か。それが今日の環境のなかで、いかに奪われているかを考えさせられました。
子どもは、この世の中で何か役に立てることを喜びとし、そうした「仕事」に誇りをもつとともに、仕事のなかで様々な事物や他者と豊かにかかわり、創造的に時間を生きていくものなのだなと思いました。クリスマスや誕生日と同じように、「お当番」がなぜ嬉しいのかなんて話も出ました。
子どもが大人に従属的に労働させられれば、あるいは、既存の社会のポジション取りのみに追い立てられれば、子どもの権利は侵害されてしまいます。
学習指導要領改訂や学力テストほかで、子どもたちは何のために学ぶのかわからないまま勉強漬けにさせられている現状もあります。内山さんが言うように、「子どもたちの成長のしかたが、次の時代の基盤をつくっていく」(11ページ)という指摘を重く受け止めつつ、子どもたちが自らの時間を生きる権利をどう保障していくのかを考えさせられます。

戸田さんの論文からは、障害児の「きょうだい」が、障害をもつ子の「ヤングケアラー」(70頁)として、家庭で期待される役割期待を担うことで、「子ども期の喪失」(71)に近い状態に置かれていることがわかります。

1月号の内容は、2月号で扱われている保育や子育て支援の問題にもつながっているものなので、引き続き議論になっていく点もあるかもしれません。