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2月はエレン・ケイの教育思想です

ゼミナールsirube 2月例会

日時 2019年2月25日(月)
13:30~16:30
会場 みやぎ教育文化研究センター
会場の詳細はこちら
参加費 無料
テキスト 当日配布
内容

1月のゼミは太田先生の尽力でハーバート・スペンサーの教育思想について学びました。そのため当初1月に予定していたエレン・ケイの教育思想を今回2月のゼミで扱うことにします。どうぞご参加ください。

前回の
様子

スペンサーの生きた19世紀は、同時代人にダーウィンやマルクスがおり、また当時のイギリスは工業化が大きく発展し、経済のみならず軍事的にも大きな力を持って、世界の覇権を掌握する状況に至っていた。
そのような時代のなかで、スペンサーは、進歩(進化)の観念と啓蒙主義思想を生物進化論に依拠して社会のあり方を説く社会進化論へと結実させた。またスペンサーの個人主義・自由主義を称揚する思想は、明治維新を迎えた我が国の知識人に多大な影響を与え、自由民権運動の思想的バックボーンになったと言われている。

さて、ゼミではスペンサーの『教育論 知育・徳育・体育』の中からの抄録資料をもとに彼の教育思想を読み進めていった。彼の教育思想の特徴の一つは、体育(健康・保健教育)を教育の重要な柱として位置付けていることだ。またパブリックスクールなどで行われている伝統的なラテン語や文法を中心とする教育を批判し、実用的で実生活に役立つ科学的な知識を重視した。科学や産業の発展と進歩という時代状況をよく反映していると言えよう。また科学的知識を重視する彼の立場は、芸術についても「ありとあらゆる種類の最高芸術は科学に基づいている—科学がなければ完全な制作も完璧な鑑賞もありえないのである。科学は必然的に芸術の基礎となるのである」「科学は彫刻、絵画、音楽、詩を基礎づけるだけでなく、科学そのものが詩としての性格を持つのである」などと述べ、さらには一般的に水と油のように思われる科学と宗教についても真の科学は本質的に宗教的であると言う。彼の科学主義が、ここに極まったと言えようか。
知育に関わって述べてきたが、彼の徳育・体育についても一言。昨今、道徳の教科化が大きな議論を呼んでいるが、スペンサーの道徳論は、反作用道徳論とでも言えばよいだろうか。子どもがある行いをして、それが善いものであればそれに相応しい正当な反作用(経験)があり、逆に悪い行いであれば同様にそれに見合う反作用を(経験)するというものだ。太田先生は、しっぺ返し論だという。だから子どもにこれをしなさい、あれをしてはいけないなどと諭すような道徳は不要。
スペンサーの体育は、私たちが体育という言葉からイメージするようなものとは少し異なり、健康・保健的な体育としての体づくりが述べられる。またそのような観点から当時の学校で取り組まれていた体操や子どもたちに過度の負担を強いる詰め込み教育を批判し、子どもの遊びや適度な学習を奨励した。